
こんにちは!社会保険労務士として中小企業の経営をサポートしている助成金レスキューです。
この秋、2025年10月からの地域別最低賃金の引き上げにより、多くの企業で人件費負担が増加します。「賃上げは必要だが、生産性も向上させたい」とお考えの経営者の方に朗報です。
業務改善助成金を活用すれば、設備投資による生産性向上と賃上げを同時に実現できます。この記事では、2025年最新版の業務改善助成金について、申請から受給まで社労士が詳しく解説します。
業務改善助成金とは?設備投資で賃上げを支援
業務改善助成金は、事業場内最低賃金の引上げと生産性向上のための設備投資を同時に行う中小企業事業者に対して、その費用の一部を助成する制度です。
業務改善助成金の特徴
- 最低賃金引上げに向けた環境整備を支援
- 設備投資による生産性向上を促進
- 労働者の処遇改善と企業成長の両立を実現
2025年の主な改正点
- 申請時期と賃上げ実施時期の厳格化
- 二段階賃上げの禁止
- 特例事業者の要件拡大
対象となる企業・事業者の条件
基本要件
中小企業事業者で、以下の条件を満たす必要があります:
業種 | 資本金または出資総額 | 常時雇用労働者数 |
---|---|---|
製造業・建設業・運輸業等 | 3億円以下 | 300人以下 |
卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
特例事業者の優遇措置
以下のいずれかに該当する場合、助成上限額アップや対象経費拡大の特典があります:
賃金要件
- 事業場内最低賃金が1,000円未満
物価高騰等要件
- 直近3ヶ月のうち任意の1ヶ月の売上高総利益率または営業利益率が前年同月比3%ポイント以上低下
助成対象となる設備投資の例
生産性向上設備
- 製造業: 自動化機械、検査装置、省力化設備
- 建設業: 施工効率化機械、安全装置
- 運輸業: GPS機能付き車両、配送効率化システム
- 小売業: POSシステム、在庫管理システム
- サービス業: 予約管理システム、決済システム
IT関連投資
- 業務効率化ソフトウェア
- クラウドシステム導入
- タブレット・PC(条件付き)
- セキュリティシステム
特例事業者限定
- 乗用自動車(乗車定員7人以上または車両本体価格200万円以下)
- 貨物自動車
- パソコン(新規購入限定)
助成金額と助成率
基本的な助成内容
賃金引上げ額 | 助成上限額 | 助成率 |
---|---|---|
30円以上 | 30万円 | 3/4 |
45円以上 | 50万円 | 3/4 |
60円以上 | 70万円 | 3/4 |
90円以上 | 100万円 | 3/4 |
特例事業者の場合
助成上限額が最大1.5倍に拡大され、助成率も優遇されます。
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申請の流れと重要な注意点
申請スケジュール
- 交付申請書提出(労働局への申請)
- 交付決定通知
- 設備投資実施(交付決定後)
- 賃金引上げ実施(申請後〜事業完了期日内)
- 実績報告書提出
- 助成金支給
重要な注意点
❌ これをやると助成対象外
- 交付申請前の賃上げ実施
- 交付決定前の設備納品
- 二段階での賃上げ実施
✅ 成功のポイント
- 申請タイミングの厳守
- 就業規則等での賃金下限額の明記
- 設備投資額10万円以上の確保
申請書類と準備のポイント
必要書類(主なもの)
- 業務改善計画書
- 賃金台帳
- 就業規則または労働契約書
- 設備投資の見積書
- 会社案内または登記簿謄本
計画策定のコツ
- 現状分析: 現在の賃金水準と生産性を把握
- 目標設定: 具体的な賃上げ額と生産性向上目標
- 投資計画: 効果的な設備投資内容の選定
- 収支計画: 助成金を含めた投資回収計画
他の制度との関係
同時に活用できる制度
業務改善助成金と一緒に申請・受給可能:
- 人材開発支援助成金(研修・教育訓練)
- 両立支援等助成金(働き方改革関連)
- 地方自治体の独自助成金(設備投資支援等)
注意が必要な制度
同じ設備・費用には重複して申請できません:
- IT導入補助金 → 同じシステム導入費用は対象外
- ものづくり補助金 → 同じ機械購入費用は対象外
- 事業再構築補助金 → 同じ設備投資費用は対象外
雇用調整助成金との関係
- 同じ労働者に対しては併用不可
- 異なる労働者であれば併用可能(要相談)
💡 ポイント
「同じお金を二重にもらうことはできない」が基本ルールです。異なる目的・異なる費用であれば併用できる場合が多いです。
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成功事例:業種別活用パターン
製造業A社の事例
- 投資内容: 自動包装機導入(150万円)
- 賃上げ: 時給30円アップ
- 助成額: 112.5万円(投資額の75%)
- 効果: 人件費削減で投資回収期間2年
サービス業B社の事例
- 投資内容: 予約管理システム(80万円)
- 賃上げ: 時給45円アップ
- 助成額: 50万円(上限額)
- 効果: 業務効率化で残業時間30%削減
よくある質問(FAQ)
Q1: 申請はいつできますか?
A1: 年度ごとに募集期間が設定されます。2025年度は4月頃から募集開始予定です。
Q2: 個人事業主でも申請できますか?
A2: 要件を満たせば個人事業主も申請可能です。
Q3: 設備投資の上限額はありますか?
A3: 助成上限額の範囲内であれば、設備投資額に上限はありません。
まとめ:設備投資で賢く賃上げを実現
業務改善助成金は、最低賃金引上げを成長のチャンスに変える強力なツールです。重要なポイントを再確認しましょう:
成功の3つのポイント
- タイミング: 申請と実施の順序を厳守
- 計画性: 効果的な設備投資の選定
- 専門家活用: 申請書類の精度向上
2025年に向けたアクション
- 現在の賃金水準の確認
- 生産性向上に必要な設備の検討
- 申請スケジュールの確認
賃上げと生産性向上を同時に実現したい経営者の皆様、業務改善助成金を活用して、持続可能な成長を目指しませんか?
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著者プロフィール
長谷部社会保険労務士事務所 代表
助成金申請サポート実績多数、中小企業の労務管理と助成金活用を専門とする。