
「うちの会社で使える助成金はある?」「令和7年度の助成金制度、どう変わったの?」そんな疑問をお持ちの経営者や人事担当者の皆様、お待たせしました!
令和7年度に入り、国の助成金制度にはいくつかの大きな変更がありました。新しい働き方や社会情勢に対応するため、助成金の内容がアップデートされています。
本記事では、令和6年度から令和7年度にかけて実施された助成金の主な変更点を分かりやすく整理し、解説します。廃止・停止されたものから、新たに登場した助成金、そして内容が大幅に変わったものまで、ポイントを押さえてお伝えしますので、ぜひご確認ください。
1. 【廃止・停止】これらの助成金は変更されました!
まず、残念ながら廃止または新規受付が停止となった助成金から見ていきましょう。
- 高年齢労働者処遇改善促進助成金
- 変更: 令和7年度をもって完全に廃止されました。
- 内容: 60歳から64歳までの高年齢労働者の方々の賃金規定等を増額改定し、それによって高年齢雇用継続基本給付金の支給額が減少した事業主を支援する助成金でした。
- 人材確保等支援助成金の一部コース
- 雇用管理制度助成コース: 令和4年4月1日以降、新規計画の受付が停止されていましたが、令和7年度の制度概要からは完全に記載が削除されました。
2. 【新設】注目!これらの助成金がスタートしました!
次に、社会のニーズに応える形で新たに設けられた助成金をご紹介します。
- 産業雇用安定助成金の新コース「災害特例人材確保支援コース」
- 背景: 令和6年能登半島地震への対応として新設されました。
- 内容: 能登半島地震の影響で経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、従業員の雇用を守るために行う在籍型出向を支援します。
- 両立支援等助成金の新コース「不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コース」
- 背景: 働く女性の活躍推進や健康支援の重要性が高まっていることを受け、新設されました。
- 内容: 従業員が不妊治療や、月経随伴症状・更年期障害といった女性特有の健康課題と仕事を両立できるよう、支援制度を導入・利用促進する事業主をサポートします。
3. 【大幅に変更】既存の助成金がこのように変わりました!
続いて、既存の助成金が統合されたり、内容が大きく見直されたりしたケースです。
- 人材確保等支援助成金
- 変更: 令和6年度に存在した「雇用管理制度助成コース」や「人事評価改善等助成コース」などが、令和7年度からは**「雇用管理制度・雇用環境整備助成コース」として統合・再編されました**。より分かりやすく、利用しやすい形になっています。
- キャリアアップ助成金の正社員化コース
- 大きな変更点:
- 「重点支援対象者」という新しい概念が導入されました。
- 支給額の体系が大幅に見直され、重点支援対象者か否かで支給額が区分されるようになりました。
- ポイント: これまで以上に、支援が必要な層への手厚いサポートが意識された変更となっています。
4. 【内容が大幅に拡充】より使いやすく、手厚い支援に!
助成金の内容が拡充され、より利用しやすくなったり、支援が手厚くなったりしたケースもあります。
- 人材開発支援助成金
- 「人への投資促進コース」の内容が大幅に拡充されました。企業の積極的な人材育成を後押しする内容となっています。
- 「事業展開等リスキリング支援コース」の支給額が増額されました。変化の激しい時代に対応するためのリスキリング支援が一層強化されています。
- 特定求職者雇用開発助成金
- 「成長分野等人材確保・育成コース」の要件や支給額が見直されました。デジタル・グリーンといった成長分野への人材の流れを促進するための重要な変更です。
5. 【継続】ただし要件・支給額に変更がありました
これまで通り継続されるものの、細かな要件や支給額が変更された助成金もあります。
- 雇用調整助成金
- 教育訓練加算の仕組みがより詳細になりました。
- 支給日数に応じた要件変更も行われました。
- 両立支援等助成金
- 各コースの支給額や要件が、より現状に合わせて細分化されました。
- 仕事と育児・介護の両立支援に関する情報を公表する**「両立支援のひろば」での情報公表による加算制度が拡充されました**。企業の積極的な情報開示を促す狙いがあると考えられます。
- 人材確保等支援助成金
- 「作業員宿舎等設置助成コース」に、石川県の被災地域への支援が追加されました。
- 「建設キャリアアップシステム等活用促進コース」の内容が見直されました。
令和7年度助成金の主な傾向まとめ
これらの変更点を踏まえると、令和7年度の助定金制度には、以下のようないくつかの大きな特徴が見られます。
- 災害への迅速な対応: 能登半島地震を受け、被災地の雇用維持や事業継続を支えるための特別な措置が講じられています。
- 女性の活躍推進と健康支援: 不妊治療や女性特有の健康課題への対応を支援するコースが新設され、誰もが働きやすい環境づくりへの意識が高まっています。
- デジタル・グリーン分野など成長分野への重点投資: リスキリング支援の強化や、成長分野への人材確保・育成コースの見直しなど、日本の産業競争力強化に向けた動きが鮮明です。
- 制度の効率化(統合・再編): 類似する助成金コースが統合されたことで、利用者の分かりやすさ向上や制度運用の効率化が図られました。
- 支給額・要件の適正化と細分化: より効果的かつ公平な支援が行き渡るよう、多くの助成金で支給額や要件の見直しが行われました。
令和7年度は、特に「災害対応」「女性支援」「成長分野への投資」に重点が置かれた改正となりました。
最後に
助成金は、企業の経営課題解決や従業員の働きがい向上を後押しする強力なツールです。しかし、制度は常に変化しており、最新情報をキャッチアップしていくことが非常に重要です。
今回ご紹介した変更点をしっかりと押さえ、自社に合った助成金を効果的に活用していきましょう。助成金の詳細や申請手続きについては、厚生労働省のホームページや管轄の労働局などで必ず最新の情報をご確認ください。
この記事が、皆様の助成金活用のヒントになれば幸いです。